古典籍
『甲子吟行絵巻(かっしぎんこうえまき)』
松尾芭蕉(マツオ,バショウ)(1644-1694) 著 中川濁子(ナカガワ,ジョクシ)(生年不詳) 画・書
出立が甲子であることから甲子吟行とよばれていますが、「野ざらし紀行」という別名もあります。 「野ざらし」は、旅立ちに際して詠んだ一句「野ざらしを心に風のしむ身かな」に由来しています。 「野ざらし紀行」は1684(貞亨元)年8月、松尾芭蕉41歳の秋、門人 千里(チリ)(粕谷甚四郎(カスヤ,ジンシロウ))とともに江戸深川を出発し東海道を上り、伊勢・伊賀(三重県)・大和(奈良県)、京都・湖南地方をめぐり、翌2年尾張(愛知県)・甲斐(山梨県)を経て、4月に江戸深川に戻るまでの紀行文です。 跋文は芭蕉が書いたといわれています。
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『梵文金剛盤若經諸譯互證(ぼんぶんこんごうはんにゃきょうしょやくごしょう)』 天・地・人(3冊)
法樹(1775-1854)校 黒田眞洞(クロダ,シントウ) (1855-1916)写
○梵文(ぼんぶん) 古代インド・アーリア語に属する言語(梵語)で書かれた文章。 ○金剛般若經 金剛般若波羅蜜多経(こんごうはんにゃはらみったきょう)の略。般若経系の大乗経典の一。一巻。鳩摩羅什(くまらじゅう)の漢訳が知られる。空・無我の道理を説き、禅宗で特に重視される。 ○諸訳互証 漢訳された仏典を集めて対照し、梵文の意味を推定すること。
「梵語(サンスクリット)で書かれた『金剛般若経』と、鳩摩羅什(344-413)又は(350-409)による漢訳本、笈多による漢訳本など数種類の漢訳仏典と対照させて、梵語の文章の一節の意味を推定した本。飲光(おんこう)(慈雲)(1718-1805)は 江戸時代後期、京都や大坂で活躍した真言宗の高僧。慈雲尊者、葛城(かつらぎ)尊者と尊称されるほか、双竜叟(そうりゅうそう)、葛城山人などの雅号で知られています。独学で梵語を習得する偉業を成し遂げた人で、意志を引き継いだ弟子の法樹(1775-1854)が完成させました。仏教大学の前身浄土宗学本校の初代校長、大正大学の学長も務めた黑田眞洞(1855-1916)による写本。 |
『長谷川雪旦先生 江戸名所図会下絵』
江戸時代に出版された江戸の名所旧跡の案内書『江戸名所図会』の挿絵の下書きの絵。 江戸時代後期の絵師、長谷川雪旦(ハセガワ,セッタン)(1778-1843)が大体縦約23cm、横約17cmの小片の和紙に下書きをしています。 日本画家の河鍋暁斎(カワナベ,キョウサイ)(1831-1889)の手に渡りました。 ・下絵は5巻であったこと ジョサイア・コンドル(Josiah Conder)(1852-1920)に乞われて3巻贈ったことが書かれています。
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